developmental disorder diary

24歳で発達障害が判明した人間による雑記です。感情的な痛みの訴求ではなく、なるべくどうしたら良いかを考えていこうと思います。生きづらいけど。追記:「Developmental Disorder:発達障害」よりも「Autistic Spectrum Disorder:自閉スペクトラム症」という呼称がより適切でした。

発達障害の薬について

発達障害には根幹的な治療法が存在しないため、対処療法的に薬で症状を緩和するしか対策がありません。
私が試した薬について、私の感想を書こうと思います。

下記はあくまで私個人の感想です。
こんな人もいるんだな程度の気持ちで読んでください。
あと、後半はもうほとんど愚痴です。感想文ですらない。

ブプロピオン(Bupropion)

※この薬は2014年6月現在、日本では認可されていません。
私は病院で治療を受ける前、この薬を海外から個人輸入をして一ヶ月ほど飲んでいました。

  • この薬には下記の3つのタイプの錠剤があります。
    • 即時放出型(instant release)
    • 持続放出型(sustained-release)
    • 延長放出型(extended release)

私は長時間作用するタイプであれば何でもいいと思っていたので150mgの持続放出型(SR)錠を購入し、毎朝1錠を服用していました。
朝飲めば夕方くらいまでは効いている感じがしました。

  • 私が感じた効果は下記の3点でした。
    • 緊張時(精神的な負荷が大きい時)の心拍数の上昇
    • ストレス過敏
    • チョコレートなどの嗜好品に対する欲求の減少
    • 短時間だけ持続する集中力の増加(持続時間は数分程度)

効果が全くない訳ではないのですが、不注意や先延ばしなどは改善されませんでした。
1ヶ月ほど服用を続けた結果、いつの間にか飲まなくなっていました。
糖衣錠には見えないのですが、舐めるとほのかに甘い味がしました。

禁煙補助薬としても使われていると知ったせいか、なんとなくタバコと作用が似ている様な気がしました。
私には気休め程度にしかなりませんでした。

アドラフィニル(Adrafinil)

※この薬は2014年6月現在、日本では認可されていません。
※肝毒性が強いとのことでアメリカでは同成分の市販薬が販売停止になったことがあります。
※そもそも発達障害の薬じゃないっぽい。ダメじゃん。

この薬も海外から購入しました。
300mgを朝に摂取したのですが、軽い頭痛がズキズキと半日続いただけで特になんの効果もありませんでした。
頭痛になるための薬なんてバカバカしくて飲む気になれず、ゴミ箱に捨ててしまいました。

もしかしたら偽薬だったのかもしれません。
正直、海外から薬を輸入するのはあまりおすすめしません。

  • 私が感じた効果は下記の1点でした。
    • 頭痛(たぶん副作用なんだと思うけど、これしか感じなかった)

ストラテラ(Strattera)

これが病院で最初に処方された、発達障害の症状を和らげるための薬でした。
最初に服用したとき、頭の中が非常に静かになったことに驚きました。

40mgを毎朝1錠を2週間ほど続けたのですが、下記の副作用が酷かったことと不注意や先延ばしなどの発達障害に起因する諸問題が改善されなかったため、私は服用を断念しました。

しかし頭の中を静かにする効果はこの薬が一番強かったと思います。

  • この薬の副作用
    • 腹部の不快感
    • 吐き気
    • 苛立ち・情緒不安定
    • 眠気
    • インポテンツ

ブプロピオンと同じ様なものだろうと思っていたのですが、ストラテラの方が断然強力でした。

  • 私が感じた効果は下記の1点でした。
    • 頭の中が静かになる(ただし最初のうちだけ)

コンサータ(Concerta)

2007年のリタリン騒動のせいで「覚醒剤」と揶揄されがちな成分の薬ですが、この薬が一番堅実だと私は感じています。

私は会議などでは居眠りの常習犯だったのですが、この薬を飲みだしてから居眠りが減りました。
※プロジェクターを使うために部屋を暗くしたりすると特に顕著で、数分程度で眠ってしまうことが多かったです。

不注意や先延ばしや失読も少しは改善され、かろうじて健常者として生きていけるかもしれないという希望を持つことができました。
※希望と呼んでいいのか躊躇してしまいますが、最悪だったのが多少マシになったということ可能な限り前向きに表現しました。現実は厳しいです。魔法の薬なんてありません。

  • この薬の副作用
    • 喉・口が乾く(慣れると、この症状はなくなる)
    • 心拍数が上昇し、胸が苦しくなるときがある(精神的負荷が高い時に多い)
    • 食欲が低下する(食べようとすれば食べれるが、欲求が低下する)
    • まれに便秘になる(忙しい日が続くとなる気がする)
    • テンションが上がらなくなる(なんというか、激しい運動や、視覚や聴覚に対する過度な刺激がうっとおしくなる)
    • 頭痛
    • 肩こり

この薬を飲んだからといって興奮状態になることは個人的にはありえないと思っています。

以前、カバンの中で行方不明になっていたコンサータ27mgを2錠見つけたので、それらを短時間で吸収できるように摂取したのですが、結果としては副作用が強調されただけだったので、ウワサがひとり歩きしてるなぁ・・・と思います。

そもそも欧米で主に乱用されているADHDの薬はアデロール(アンフェタミンですし、たぶんその辺の話と過敏症か誇張壁のある人の体験談などが混ざりあった結果 「リタリンすげー」っていう噂が広まって、その噂を鵜呑みにした人たちが噂を再現すべく量を理不尽に増やしてみたり、砕いて鼻から吸ったりと創意工夫を凝らした結果、 そりゃまぁそんなコトしてればおかしくなるよねっていう連続飲酒みたいな悪い用法用量が広まって、その面白おかしい阿鼻叫喚を正義感の強いジャーナリストたちが目ざとく見つけ、 その情報をもとにクリエイティブな方々が制作した報道番組は彼らが感じた印象を世間に広くかつ的確に伝達し、ついには厚生労働省まで届き、 ガイドラインに載っている服用の中断方法すら無視して、処方の一律禁止という異例の対応で幕を引きました。
厚生労働省と報道機関が官民一体となって病院を掛け持ちして向精神薬をかき集めることができるシステムはさておき※、 悪しき薬物中毒者発達障害精神疾患達からリタリンという選択肢だけを取り上げたという美談ですが、一体何がしたかったんでしょうか。
もし誰か2014年6月現在の東京都知事に会う機会があったら、当時何を考えていたのか聞いてみてください。
「瞑想中だったから何も考えていなかった。」とか言ったら、あの座禅のスパンキングに使う卒塔婆みたいな木の板の広い面ではなく角で思い切り叩いてやってください。

※現在、リタリンコンサータなどについては厳重な流通管理の下、処方されているはずと私は強く願って信じています。

ただし、健常者が向精神薬を長期間摂取し続けた場合、健常者でなくなってしまうリスクは確実に存在すると思います。
脳という器官は非常に繊細で一部の機能が低下するだけで鬱などの精神疾患になります。
幸運にも正常に発達することができたのであれば、どうかその幸運を大事にしてください。
薬なんてものを飲まずに周囲と自然に談笑し、人並みに仕事をこなし、夜は安らかに眠れるとしたら、それ以上はありません。
「健常者でもそんな奴いねーよ、寝言言ってんなよコラ」
と思う人もいるかもしれませんが、どれか一つでもできるとしたら私は羨ましいです。
あと、そのような感想を抱く場合、心または頭を病んでいる可能性があるので受診をおすすめします。

メチルフェニデートメタンフェタミンが似ているという幻想

本当にそんな作用があるとしたら、例え発達障害精神疾患で服用してるような非定型の人にも、その作用が顕著に現れるはずだと私は思います。

メタンフェタミンやMDMAやコカインといった、ハードドラッグの中でアッパー(興奮剤)に分類される薬物の体験談で最初の一回が全く効かなかったという話を私は聞いたことがありません。
麻薬の常習者といった危険を顧みず過度な刺激を求めるタイプの人は、かなりの割合で非定型の人間がいると私は思っています。

麻薬常習者の中に非定型の人間が一定数存在していて、彼らがメタンフェタミンなどを摂取することで高揚感を得る事が出来ていてメチルフェニデートにもそれらと同じ様な作用があるとしたら、私が1度に54mgのメチルフェニデートを摂取した際には何らかの高揚感があってしかるべきだと思うのですが、実際に感じたのは動悸肩凝り強い緊張感といった高揚感とは程遠い、実に不愉快なこの薬の副作用のオンパレードでした。

以上のことからメチルフェニデートは麻薬としては、到底使い物にならない程度の物ではないかと推測します。

メチルフェニデートを指して「覚醒剤」と揶揄するのは、車輪とエンジンが付いていて走行する機能があるという共通点だけで、ドラッグレースの競技専用車両と軽自動車(または原付き)を同じ物として扱うのと同じことだと思います。

軽自動車も十分危険な道具かもしれませんが、頭のイカれたスピード狂の方々の欲求を満たすために作られた道具と、
生活する上で必要な機能だけを持たせた道具を同列に扱うのは、あまりに見当違いだと私は主張します。
※決してドラッグレース愛好者のことを悪く言っている訳ではありません。ご容赦ください。

日本で「覚せい剤取締法」で規制されている“アンフェタミン”ですら“メタンフェタミン”の効果の1/3程度(もっと低い?)しかないのに、アンフェタミンの足元にすら遠く及ばないほど効果の弱い上に、注意を固定して気分の高揚を阻害するメチルフェニデートが麻薬としての需要に応えられる訳ないじゃん。つーか作用下でも眠けりゃ眠れる様な薬と、嘘か本当か知らんけど3日間眠れないなんて言われている様な薬を同じ物のように語ってんじゃねーよ。合法的に酩酊状態になりたいなら酒でも飲んどけよ。
というのが私感です。

ダラダラと長くなってしまいましたが、メチルフェニデートに対する誤解や変な期待を持って使う人が減り、リタリン騒動が再び起きないことを切に願います。

それ以上に投薬による対処療法ではなく根幹的な治療法と、義務教育期間中に発達障害を発見できる仕組みが確立される事を切に願います。